四柱推命には10種類の運気があります。
「今年は運気が良い(悪い)から〇〇」
と考えがちですが、
どの運気にも大切な役割があります。
その本質を理解する鍵として、
易経・乾為天に説かれる
「元亨利貞」があります。
今回の記事では、
運気の本当の意味と活かし方
をお伝えします。
四柱推命の10運はすべて重要である
四柱推命には10個の運気があります。
甲、丙、戊、庚、壬の人なら、
比肩→劫財→食神→傷官→偏財
→正財→偏官→正官→偏印→印綬
乙、丁、己、辛、癸の人なら、
劫財→比肩→傷官→食神→正財
→偏財→正官→偏官→印綬→偏印
と流れてきます。
そのため『流年』とも表現します。
多くの人は、
運気に良いや悪いというラベルを貼り、
- 「今年は運気が良いから〇〇をしよう」
- 「今年は運気が悪いから大人しくしよう」
と発想をしがちです。
しかし、
四柱推命の運気はそんな単純
なものではありません。
どの運気にも必ず役割があり、
どの運気も人生の循環の中で
大切な時期なのです。
この考え方を分かりやすく解説
しているのが易経の中にある
「乾為天(けんいてん)」で、
その中で説かれる有名な言葉で
『元いに亨る、貞しきに利し(元亨利貞)』
があります。
この元亨利貞を理解すると、
四柱推命の10種の運気を
より深く理解できるのです。

易経の乾為天の『元亨利貞』とは
乾為天とは、
「天が動き続けるエネルギー」
を象徴する卦です。
天は止まることなく動き続け、
物事を創造し、育み、
成熟させ、整えていく
その流れを
4つの言葉で表したのが
「元亨利貞」です。
- 元(はじめ):すべてのスタート、芽が出る種の段階。
- 亨(とおる):伸びていく、拡大していく成長の段階。
- 利(り):実り、成果が形になる段階。
- 貞(てい):正しさを守り、襟を正し、次の始まりに備える段階。
では「元亨利貞」について
それぞれ詳しく解説します。
『元』:準備の運気は目に見えないが最重要
四柱推命においても、
準備や勉強や育成の意味合いを
持つ運気があります。
この時期は、
「進んでいない」「結果が出ない」
と思われがちです。
しかし、
易の「元」の段階に重ねて見ると、
非常に価値がある時期です。
「元」の状態は、
まだ発芽していない種が
土の中で力を蓄えるような段階です。
ということは、
人が成長するためには
必ず必要なプロセスだとわかります。
-
新しい学びが入る
-
環境が整う
-
人間関係が変わる
-
新しい価値観が生まれる
「動く時期に備えるための大事な布石」
こそ『元』の運気の価値です。
『亨』:伸びる時期は勢いがあると同時に危うい
四柱推命には、
成長、拡大、発展の運が巡って
くる時期があります。
これが易経でいう
「亨(とおる)」の段階です。
-
チャンスが巡る
-
人脈が広がる
-
結果が見える
-
アイデアが溢れる
非常に楽しい時期であり、
大きく飛躍できるタイミングです。
しかし注意しなければならないのは、
“伸びるときほど危険も増える”
ということ。
乾為天では『亢龍』と表現し、
驕り高ぶっている状態を指し、
戒めています。
具体的には、
-
調子に乗って増やしすぎる
-
人に任せず独断専行する
-
スピードを優先しすぎる
という状態です。
あなたも経験したことありませんか?
「伸びる時期ほど、節度が必要」
これが亨の教えです。
『利』:結果が出る時期は次のステージの基盤になる
成果・収穫・安定の運気
が巡る時期もあります。
易経の「利(り)」の状態です。
-
仕事が安定する
-
信用が積み重なる
-
実績が形になる
-
経済的に余裕が生まれる
しかし、
この時期で陥りがちな誤解として、
「この時期だけが幸運で、他は不運」
と勘違いすることです。
利の時期の目的は
「次のサイクルの準備を整えること」
なのです。
最大の間違いが、
良すぎるから次の運気への
準備を怠ることです。
四柱推命で言えば、
「正官」の時期に
準備をしないことです。
蓄え・信用・人間関係・資金
これらを整えておくことで、
次の「貞」の時期を安心して
迎えることができます。
『貞』:整理・見直しの時期
四柱推命で
「停滞期」「見直し期」
と呼ばれる運気があります。
偏印や傷官の時期が当たりますが
多くの人はこの時期を嫌います。
しかしとても大切な時事です。
易経でも大切だとしいており、
「貞」の段階を示しています。
貞とは、
「正しさを守り、襟を正し、
次の始まりに向けて整える時期」
を指します。
-
間違いを修正する
-
やりすぎたことを戻す
-
人間関係を見直す
-
健康を整える
-
土台を固める
非常に地味ですが、
ここを大切に過ごせる人ほど、
次の「元」の時期に大きく躍進できます。
逆にこの時期に焦って動くと、
次の運気で苦戦する結果になります。
貞は停滞の時期ではなく
準備を完了させるの時期
なのです。
運気に良し悪しは存在しない
元 → 亨 → 利 → 貞のサイクルに
照らして考えてみると、
四柱推命の10種類の運気には
良いも悪いもないということが
理解できることでしょう。
-
元の運気があるから始められる
-
亨の運気があるから広がる
-
利の運気があるから成果が残る
-
貞の運気があるから整う
どれが欠けても
人生の循環が成立しません。
春夏秋冬の季節と同じです。
運気とは運気という流れの中で
どのような役割を果たす時期なのか?
という意味なのです。
運気は天から与えられた流れであり、
あなたはコントロールできません。
しかし、
その流れが順流なのか逆流なのか
見定めどう乗るかは自分次第です。
乾為天の最後の言葉の
「貞しきに利し」があります。
ことばの意味は、
「道に沿って正しく生きよ」
というメッセージです。
最後にこの言葉を贈ります。
全ての運気はあなたを成長させるために
巡っている